上海報告記〜④ライドシェアは完全に人々のインフラになっている模様〜

in #japanese6 years ago

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みなさんこんにちは。

今回は上海視察4弾。日本では白タクなどと言われますが、中国やアメリカではライドシェアアプリ「UBER」「DiDi」が普及し、タクシーよりもこちらが都市生活のインフラとなっていました。

圧倒的なシェアを誇るライドシェアのプラットフォーム「滴滴出行(DiDi)」

中国では法整備や国民の気質、スマートフォンの普及など好条件が揃い、シェアリングエコノミーが急速に普及しています。スマートフォンアプリを使ったライドシェアもそのひとつ。

中国は世界最大のライドシェア市場であると同時に、世界的に有名なUberチャイナを買収し、国内では実質寡占状態にあるライドシェアのプラットフォーム「滴滴出行(DiDi)」を輩出しています。

配車アプリの高いコスト優位性

配車アプリによるサービスと従来タクシーとの違いについては、以下の点が上がります。

・タクシーではスマホGPSで走行中の車の位置情報を掴めない
・2km圏内の移動は便利。(ビジネスマン、子連れの主婦やご高齢の方におすすめ?)
・タクシーはスマホアプリ経由の決済、電子マネー等に対応してない
・従来のタクシーサービスはUIUX面でスマホ対応が遅れている
・各運営タクシー会社毎で予約しなければならず、使い勝手がかなりめんどい
・ライドシェアは初乗りが異常に安い(むしろ日本が異常に高い?)
・サービスはライドシェアの方がいい印象(特に日本のタクシーは・・)
などでしょうか。

配車アプリは使いやすく、車両品質(価格、経過年数)、運転手の評価システムによるサービス水準の担保など利便性が高い上に、低価格なサービスが消費者に支持されています。透明化+競争で、快適なサービスがユーザーにもたらされています。

以前サンフランシスコでタクシーを利用した際には、金額を多く取られ、お釣りを返してもらえず、
苦い経験をしました。その点配車アプリは乗車分の運賃をスマホで計算し、運転が終了したら自動で清算されるので安心で便利だと思います。

運営企業の業績はどうか


しかし、配車アプリ同士においては、利用者・運転手ともにスイッチング・コストが低いため、サービス提供者は激しい競争にさらされるリスクがあります。どういうことかというと、例えばアメリカではUberとLyftという2社が競合の配車サービスですが、運転手側は、Uber、Lyftどちらのユーザーからの対応もできるように、「2つのアプリ対応車」と銘打って、乗客をのせています。我々もサービスの質を見極めて、どちらのアプリを利用するかすぐ決められますよね。

また、DiDiについては、ここまで中国国内で普及させるために、2015年200億元を超える金額を行政に支払っており、中でもDidi Chuxingは100億元以上を支払ったと推測され、Uberは中国事業で10億米ドルの損失を出したと報告されているようです。
参照:SPEEDA

ライドシェアの問題、懸念点


問題点として上がるのは以下の点です。

・合法化、違法か?
・既得権益との折衝

正直サービスの質は、ユーザーおよび乗客によるレビューや、運営会社による厳しい精査や基準を満たしたドライバーを囲っていることから、普通のタクシーより優れていると考えます。

上記の2点は、もはやサービスどうこうではなく、行政、既得権益の問題ですね。

タクシー業界の反発は根強いらしく、日本ではライドシェアの普及が遅れているのも事実です。全国ハイヤー・タクシー連合会は「ライドシェアに対し、一丸となって闘う」との意向を示し、Uberをはじめとしたライドシェアの参入へは断固反対の構えを見せています。

あと、私が個人的に思う懸念としては、配車サービスを開発した経営者やエンジニアは高所得を得ている中、ドライバーは毎日乗客を運んでエンジニアより安い賃金で労働をしているこの格差。テクノロジーによって少数で多数をまとめることが容易になったことから、テクノロジー側にいない利用者との、所得格差は正直いかがなものかと思ってしまいました。

2020年には普及すると予想される配車サービス。
みなさんも日本のライドシェアの状況を伺っていきましょう。