うまごやです。久々の投稿になります。
今日はちょっと気分を変えて生物多様性という、一応僕の専門分野のお話をしたいと思います。
生物多様性という言葉は、ニュース等で耳にしたことがあるかと思いますが、実際のところ皆さんは生物多様性についてどれくらいご存じでしょうか。
多くの人は、生物多様性を守ることは、食料や薬の原料などを守ること、ということを想像するかと思います。もちろん正解です。
しかしこれ以外にも、酸素の生産、緑の景観やリラクゼーション効果、知識・文化・レジャーとしての生物財産など、大小さまざまな恩恵があります。
ある試算によると、生物が与える恩恵は年間33兆ドルにもなるそうです。
生物が失われることは、即ちこの莫大な恩恵を失うことにあたるため、現在世界では、生物多様性の保全を重要な環境課題と位置づけ、生物による恩恵の持続可能な利用を目指しています。
日本では、今後生物多様性保全に向けて本格的な動きを行うために、まずは「生物多様性」という言葉を浸透させること等を、国家戦略として行っている最中です(生物多様性国家戦略2012-2020)。
地球温暖化対策がそうであったように、まずは周知して問題認識と危機意識の基盤を作ることが、人々を動かすためには必要ということですね。
次に必要なのは、生物保全へ向けた具体的な方策です。
単なる単発の保護活動で終わる活動では意味がないので、持続的に生物保全が出来る、自然と共生する社会を作ることが必要になります。
そのためには、ビジネスとして生物保全が出来るような仕組みが必要です。
環境破壊につながる活動には税や規制のような抑止力を用意し、保護につながる活動には補助金やブランド価値を与えるなどの推進力を付加する、といった動きは現在の地球温暖化対策でも見られている光景ですね。
ただし生物保全においては、CO2排出量〇〇トン、というような具体的な数値を伴ったデータが出しづらいため、扱いづらいのがネックとなっています。扱いづらいということは、それに伴う仕組み作りも難航するわけで、生物保全に向けた取り組みはまだまだ難しいのかなと個人的には思っています。
まぁその辺は専門家に頑張ってもらいましょう。
社会を動かす基盤たる我々一人一人が意識を持つことが大きな力となるので、是非生物関係のニュースに少しでも興味関心を持ってもらえると、生物好きの私としてはありがたいです。