ALISクローズドβの「トピック限定」について

in #japanese7 years ago (edited)

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もずくです。

ALISのクローズドβが始まって10日ほどが経ちました。
その間、記事の内容・画像・タイトル等について賛否様々な意見が挙がっていますが、クローズドβ版ということで、そのほとんどの部分は実験として自然な流れに任せていると思います。

ALISがどれだけ「信頼性の可視化をしたい」と高らかに宣言しても、それを可能とする記事と評価が集まらなければ実現はできません。
そうなるように運営が常に介入して調整することは現実的ではないので、自然に任せても運営の意図した状態に収束するような評価のアルゴリズムが必要なわけです。
なので、β版では、基本的に自然な流れに任せておいて、裏で評価式や機能などを調整して流れの変化をみる…という方針でいいと思います。

自然な流れに任せてよいもの/悪いもの


ただ、β版でテストしたい「自然な流れ」と テストに悪影響が出る「自然な流れ」は明確に区別しないといけないと思います。
せっかくのβ版という実験環境をできるだけ効果的に利用するためにとても大事なことです。

自然な流れに任せておけばよいと私が思うのは、

  1. 既得権益のあるインフルエンサーの記事が(内容がなくても)高く評価されること
  2. Twitter等で宣伝力のあるユーザの記事が(露出度が高いために)高く評価されること
  3. アイキャッチに記事の内容とは関係のない画像(可愛い女性やエロ系)の使用
  4. スポーツ新聞のような釣りタイトルの使用
  5. 内容が薄くて短い記事を連投することで「新着記事」に頻繁に掲載
  6. 本来は一つの記事にすべきものをシリーズに分割

上4つの要因は共通していて、読み手が「信頼のできる記事」「情報として価値のある記事」に対して いいね をするのではなく、「将来的に評価を集められると思われる記事」に対して いいね をしているからです。

これはプロダクト開発の止まっている暗号通貨の価値が上がったりするのと同じですね。実質的な価値があるから飛びつくのではなく、ただ価値が将来的に上がるから飛びつくのです。
人間なので、そこは変えることはできません。

注)インフルエンサーやTwitterでの宣伝力を持つ人がつまらない記事を書いているということではありませんよ! 付加価値がつくという話です

下2つは正攻法の工夫ですよね。記事の内容として何かずるいことをしているわけではないので、論理的に非難はできないはずです。
そういう意味では、Twitterでの宣伝も正攻法ですし、最後に掲載する自己紹介の写真を魅力的/面白いものにするのも正攻法ですけどもね:)

とはいえ、ALISとしては望ましくないものもあると思うので、裏で評価式や機能を変更・追加して、自然にこういったものが減るように調整していく…というのがβ版の目的だと思います。
記事の検索機能の追加などはそれですね。

トピック限定の必要性


前置きが長くなりましたが、自然な流れに任せておいては(実験という意味で)悪影響が出ると思うのが、「暗号通貨・ブロックチェーン」というトピック限定からの逸脱です。

まず先に宣言しておきますが、私個人としてはトピック限定には反対の立場です。
ただ、ALIS運営さんの考えもわかりますので、β版の間はトピック限定に従うつもりです。(いまのところ…ですが)

運営さんの考えは以下のようなものかと推測しています。

  1. 参加者が5000人(アクティブはその数割)という少人数なので、評価基準がバラバラだと検証しにくい
  2. 記事のトピック(ジャンル)毎に読み手のクラスタが異なるだろう
  3. 同じ読み手クラスタの中では評価基準が近いだろう
  4. トピックを限定することで評価基準を統一しよう

確かに、仮想通貨・ブロックチェーンに興味のない読み手には、しっかりと下調べして書かれた(ALIS的に価値のある)記事や、最新の情報を扱っていて用語がよくわからない記事は、小難しくて評価が低くなってしまうでしょう。
トピックを限定しなければ、日記的なものや食レポ的なもののほうが評価を集めるかもしれません。

それぞれのジャンルに属する読み手の数が少なくなると、評価が不確かなものになります。
追々、ALISの保有量に応じた評価力のテストも入ると思いますが、人数が少ないと大量保有者の影響力が強まり過ぎます。

また、ジャンル毎のユーザの偏りも問題になると思います。
評価式も難しくなりますが、注目記事のページが食レポだけで溢れて、他のジャンルの記事が埋もれてしまう…といったことにもなります。

対策するなら…


というように、トピック限定からの逸脱については、きちんとテストをしたいなら、運営さんは積極的に介入すべきだと思います。

そもそもトピック限定についての事前告知がほとんどなかったのが問題だとは感じますが、いまからでも対策をするなら対策する、対策しないなら「トピック限定は止めます」と宣言すべきです。
そうでないと、トピック限定を真面目に守ろうとする人たちからの不満が募りそうです。(そういう真面目な人たちって、きっと信頼できる人たちでもあるので、ALISにとっては逃がすべきではないと思います。)

トピック限定を維持する方向での対策としては、

  • 公式Twitter・Discordで定期的に告知する
  • ALISのトップページや(特に)投稿ページに目立つように「仮想通貨・ブロックチェーンの内容に限定しています。β版のテストのためにご協力をお願いいたします」などと表示する
  • 通報ボタンに加えて「トピック逸脱」ボタンを加え、逸脱の過ぎる記事に対して評価を下げたり注目記事に掲載されないようにしたりする
    などが考えられます。(通報はやりすぎな気がします)

上2つはやろうと思ったら今日にでも始められると思います。
最後の対策を実装したらDiscordやTwitterのTLが荒れそうですね。特に盛り上げ隊が離れていくとなると寂しいことになりそうです。

いずれにせよ、運営としてはどうする方針なのか、できるだけ早く表明していただくのが先決だと思います。

トピック限定を解除する


もう一つの選択肢は、トピック限定が守られないなら、もう取り下げてしまうということです。

個人的には、前回の記事でも触れたように、内容まで踏み込んだ機械学習等を組み込まなければ、ジャンル毎の評価基準やユーザ数の偏りを吸収した「信頼度」の算出は無理だと思っています。

将来的にテキスト分析によるトピック推定の技術を使うのであれば、β版の時点からトピックを絞らず、ジャンル混合で検証すべきだと思います。
いまの方針だと、ジャンルを1つに限定して評価式をテスト → ジャンルを徐々に増やして個々のジャンルにその評価式を適用 → 公式リリースでもジャンルを選んで投稿する形になる…のではないかと思います。

最初にこうした方針を選んでしまうと、後から変更は効きません。
(技術的には変更できますが、β版で検証したデータが無駄になります。)
これはかなり危険な賭けだと思います。

ジャンルを選んでから投稿する…という形は、私はうまくいかないのではないと思っています。複数のジャンルにまたがる記事や、どれにも属さない記事が無数にあると思うからです。
そうすると、結局のところ評価基準が曖昧になりますし、読み手のたくさんいるジャンルにみんな投稿する…といった結果になりそうです。

私の推測ではありますが、ハッシュタグのようなもので複数のトピックに関連づけられるようにしても、関連付けられた各トピックの評価基準を重みにすることで、評価基準の偏りを補正することは可能だと思います。
ジャンルを投稿時に分けないことで、注目記事や最新記事が一つにまとまってシンプルになります。
タグでの検索も簡単です。

さいごに


ALISの目指す方向は、情報の信頼性を可視化するという点で、ブロックチェーンSNSとして先行しているsolaと似ています。
そのsolaも、最初はチャンネルという概念で、先に投稿ジャンルを決めさせる方針でした。しかし、いまはトピックというハッシュタグに変更しています。(solaは写真投稿が多いので、機械学習を適用する目的もあると思います。)

先行するSteemitやsolaがなぜハッシュタグ形式に落ち着くことになったのか。投票の仕組みを持っている既存のインターネットメディアはどうしているのか。
おそらくそのあたりはリサーチした上で、いまのALISの仕組みを選んだのだと思いますが、その理由を公式Mediumで公開するというのも大切かと思います。

繰り返しますが、個人的には、β版の時点からトピック限定を解除して、(個数限定の)ハッシュタグでジャンル分けするような形が妥当だと思っています。
そうなれば、トピック限定のせいでちょっと変則的になってしまっている私の企画がシンプルに整理できて嬉しいというのが本音です😜

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モズクさんやっと見つけました
相変わらず考察が深くて勉強になります

見つけていただいて幸いです~ 私からもフォローいたしました:)
本当は運営さんにお聞きしたいことをまとめて書いたのですが、なかなか質問の敷居が高くて…😓

几帳面なもずくさんらしい記事(´ω`)

職業病ですかね~😅
ちょっとわかりにくいというか、最後まで読まないと伝わりにくいのですが、私個人は、中途半端に現状を許すよりも正式にトピック限定を解除してくれ~って立場です:)