【小説】食べたいという欲求があった【Podgar/Steemgar】

in #japanese6 years ago

超絶にニッチなところを攻めて【Podgar/Steemgar】をテーマにした小説を書いてみました。

どこに需要あるんだ、これ・・・。

Podgar/Steemgarって何?って方はこちらをご覧ください。
【Steemgar】STEEMベースのPodgarライクなゲーム

食べたいという欲求があった。

あるいはその欲求から生まれたのが自分なのかもしれない。

ただ、その欲求のみが自分の心を支配していた。

何を食べれば良いかは分かっていた。

自分を取り巻く色とりどりの丸い何か。

手近にある青い玉に触れてみる。

甘い刺激が脳を貫く。

もっと欲しい。

それ以外に何も考えられなくなる。

赤、青、黄、緑、赤、赤、橙、緑。

目に付いた全てを端から飲み込んでいく。

もっと。もっと欲しい。

食べるほどに飢餓感が増していく。

飲み込んだ何かが自分の血肉となり力が溢れてくる。

溢れ出た力が自分の体を形作っていく。

やがて重くなり思うように動かない自分の体にもどかしさを覚えるようになる。

目の前にある甘美なあの玉を今すぐに飲み込みたい。

渇きにも似た何かが心を支配する。

速く。もっと速く。

突如、体が軽くなる。体が軽くなる。

そして気がつく。そして同時に気がつく。

自分が2つになったことに。自分たちが2つになったことに。

これはいい。これはいい。

2つに分かれた体はそれぞれに丸い何かを飲み込んでいく。

食べる。食べる。食べる。

大きくなった体を更に分けていく。

ふと、動く何かが視界に入る。

今までとは比べ物にならない、大きな何かが近づいてくる。

食べたい。

これほどに大きな何かは、きっと全身が震えるほどに甘いのだろう。

先頭を走る自分が恐る恐るとそれに触れる。

消える。

自分の一部が突如失われたことに戸惑いを覚える。

自分を飲み込んだ何かはわずかにその大きさを増している。

自分がもう1つ消える。

そして、ようやく理解する。

あれは「自分を食べる側の何か」なのだと。

嫌だ。

消えたくない。

自分をもう1つ飲み込もうと近づいてくるそれから逃げ出す。

恐怖に支配された小さな自分たちが、大きな自分の中に逃げ込んでいく。

小さな自分たちを追っていた大きな何かが動きを止め、そして離れていく。

そうか。

そういうことか。

今度は自分が食べる側になったのだと理解する。

重い体を引き摺りながらそれを追っていく。

それは少し大きな緑のギザギザに隠れこちらの様子を伺っている。

諸共に飲み込もうとギザギザに触れた瞬間。

弾ける。

弾けた自分たちが飲み込まれていく。

何が起きたのか理解できず、ただ呆然と立ちすくむ最後の自分に。

それが触れ。

闇が訪れた。


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Podgarやりたい…
不朽の名作だと思っています。

Podgar最高でしたよね・・・。
Steemgarはプレイヤーが少な過ぎるのが難点ですね。

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いいですね。VOTEしました。 (これはWITNESSとして、日本のSTEEMITコミュニティへちょっとの貢献です。)